「ココファーム・ワイナリー」

5月4日、栃木県足利市にある「ココファーム・ワイナリー」へ行ってきました。
快晴の青空に緑の葡萄畑が綺麗にコントラストし、見事な風景が迎えてくれました。
早速ワイナリーのツアーに参加し、ココファームの世界に引き込まれました。

 

 

 

 

 

 

1950年代、当時の特殊学級の中学生たちとその担任教師の川田昇(かわたのぼる)氏によって開墾された「こころみ学園」の葡萄畑が始まりです。園内に入ると、なんと葡萄畑の斜度は38度の急斜面。なぜこんな山の奥に葡萄畑を開墾したのか?それは平らな土地に農地を得ることができず、山奥の急斜面を開墾するしかなかったからだったそうです。しかしこの急斜面が、葡萄にとっても生徒にとっても意味を成すものになります。

 

 

 

 

 

 

川田氏は、子どもたちの働く場所がないのなら「作り出せばよい」という発想で「福祉のワイン」「同情で買ってもらうワイン」ではなく、中身で認めてもらえるもの、ココでしかできないものを、そして「園生がつくったからという言い訳」をしないという信念でワイン作りをします。
生徒たちには、次々と生えてくる草を刈る、朝から晩まで動物を追い払う、虫をひとつひとつつまんで取り除く、葡萄一房一房に傘をかける・・・と。やってもやってもやり尽くせない仕事を用意することができました。知恵が遅れているから何もできないと思われ、何もやらせてもらえなくて赤ん坊の手のようだった少年たちが、地道な作業に携わることによってたくましくなり、都会の自宅であばれていた少年が、この急斜面で働くことにより夜はぐっすり眠って・・・と、このファームは葡萄のためだけでなく、知的な障害のせいで自分自身をコントロールできないでいた子どもたちが、心身を安定させていくためにかけがいのないものになったそうです。

ツアーを終え、青空の下で葡萄畑を見ながらワイン(ノンアルコールワインですが笑)をいただきました。ワインから皆さんの誇りや心を感じ、なにかじわーっと「ありがとう」と温かくなるものがありました。

「消えて無くなるものに渾身の力を注げ」(川田昇氏の言葉)
看護や介護も目に見えるものではありませんが、思いやりや励ましの心は一日一日かけがえのない人生を関わらせていただくことによって、「ありがとう」というエネルギーになり、ココファームのワインのように素敵な人生を飾っていくのかもしれません。
あい訪問看護リハビリステーションに関わる全ての方々が思いやりや「ありがとう」でいっぱいになりますように・・・☆:✴“      事務 山口